児童虐待が及ぼす影

elenapanda552010-11-01

今月から児童虐待防止月間なので
児童福祉施設や一時保護施設での
経験から思うことを
時々書いてみようと思います

あまり取り上げられていないのが
精神疾患を抱える親からの
虐待についてなのではないでしょうか

昔「精神疾患は遺伝する」と
思われていて
実母が精神に異常をきたしたため
里子に出されたという
芥川龍之介などは
常にその恐怖におびえていたらしい

でも母子福祉に携わっていた時
考えていたことは
人間の成長の重要な時期である幼児期に
重大な影響を及ぼす人物(大半はその人の親であるが)
が精神疾患であるということは
その子の人格形成に大きな影を落とすのではないか…
ということである。

重い統合失調症の母親に育てられていた子は
母親の気分次第で
学校や行事にも行けなくなったりする日々を送っていた
彼女が自分の意思で何かを決めてするということが
その後の人生において会得できたか考えると
胸がつぶれる思いである

またうつの親に育てられていた子供たちも
親の体調が悪い時は
ご飯を作ってもらえず
おふろにも入れてもらえない
ほぼネグレクトに近いような養育を受けていた

人格障害の親と暮らしていた子供は
何か母親の気に障るようなことをされると
二時間近い罵倒にさらされたり
大事にしていたおもちゃを捨てられたり
言い方を変えれば
人格障害の母親によって子供を人格障害にさせられる」
ような日々を過ごしていたのである

職場のメンタルヘルス
うつの増加を取り上げると同時に
家庭での精神疾患が
子供たちにどれだけの影響を及ぼすかも
マスコミはぜひ光を当ててほしいものである。