「ひとりじゃない」っていうひと

elenapanda552011-05-22

福祉の仕事をしていた時
援助職なので
利用者の理解のためにも
臨床心理士やカウンセラーに来てもらって
講習会を受ける機会がたくさんありました。

時には職員であるあたしたちも
話を個別に聞いてもらったり…。

いろいろ公私共に行き詰まっている時
無邪気にストレス解消とばかりに
いろいろとぶちまけていたら
カウンセラーの先生に
「ちゃんと眠れている?」と
聞かれたことがあった

新人の頃は「逆に眠くて仕方がないぐらいです」
と天真爛漫に答えていたけど
そのうちわかってきた。

「眠れてる?」と聞くのは
心理職の人たちが
うつ病などを疑って聞く質問だってこと。

二回だけ「何かあったらいつでも電話を頂戴」ともいわれた。

でもこれもあとで気づいた

自分が人生最大の危機にあった時
良くしてもらった先生のことを思い出して
一度だけ電話をしたことがあった。

自分でもSOSだしてる
ってわかってた。

でもその時は尊敬していた先生
「忙しくてお会いできない…」と断られたの。

その人カトリックの人だったから
「あ、もうあたしはカトリックに縁ないな」
と悟ったのを覚えてる。

人って精神的に追い詰められると
時間の感覚がわからなくなる
特に夜中などに不安感に襲われる人は多い
あたしの言動はまさにそれだった。
でも22時近くではあったけどさ。

今、この時期
「あなたはひとりじゃない」「みんながついてる」
とか言っておいて
もし本当に精神的に追い詰められた知り合いが
真夜中に電話をかけてきたら
あなたは対応してあげますか?

実はあたしも
もうその時は膠原病を発病していた時だけど
当直の日に体調を崩して
早めに寝込んでいた

人格障害や精神疾患の人って
動物的に
相手が一番困った時をねらって関わりたがる…
と聞いたことがあるけど
私もその一番具合が悪い夜を狙われた

「眠れないの…」というその人に
半分腹を立てながら
「今日は話を聞いてあげられないから薬を飲んでみて」
と返すしかなかった

えらそうなことを言って
結局そんな対応しかできないんだよね
自分も。

児童虐待や性的虐待を
くぐりぬけてきた人に
かかわるということは本当に体を張ってのことなのだ
と自分の無力さに気付いた…

トラウマからの解放なんて
他人が簡単にしてあげられることじゃない
解放者は彼ら自身。
援助者は自分が救い主になっては
決していけないんだってこと。