なんとなく
おだやかな午後
暖かい秋の日差しの中
庭で自転車の修理をしながら
思った…。
だれもがこんなのどかな午後を
幸せのように描くだろう。
けれどあたしはひとりで…
親たちは年老いて行き…
この先誰と出会うともわからない。
この先どう変わるのか変わらないのかもわからない。
お金がないということは
人生のすべてをじんわりと諦めて行くことなのだろう、とも。
あるいはもっともっと悲惨な状況で
孤独のうちにこの秋の日差しの下に
佇んでいる人がいるのかもしれない。
あるいはこの空の下
世界中のお金のない人
仕事のない人・食べる物のない人
家族のいない人・家のない人たちが
絶望の中うつむいてうなだれているのだろう。
リーマンショック以上の不況というのは
この世界にいるあらゆる人たちの心に
雨のようにしみ出して暗い影を落としていくものなのだろう。